先輩のアプローチがすごい。
「んじゃ、そろそろ午後の見回りでも行こっか」
「そうですね」
3日目も残すところ3時間。
何も起こらないといいんだけど。
と、思っていたあの時からたったの30分後。
「好きです、弥生さん。結婚を前提に僕と付き合ってください」
そう、弥生にこんな情熱がこもった告白をしているのはもちろん卯月。
しかもその告白をしている場所は全校生徒が見えてしまう場所、そして声がよく響く2年棟の中庭。
今日は3日目だから、2年生の出店が出る日。
この私立北斗学園附属高等学校は、学年別で建物が分かれている。
まあ、紅月クラスは3年棟にあるんだけど。
「ねえ、愛ちゃん」
「なんです?」
「卯月ってあんなキャラだったけ?」
「私も信じられてないです」