先輩のアプローチがすごい。




私が知ってる卯月は、見通しを立ててから行動する策士なタイプだと思っていた。


恋愛面においてだけなのかはわからないけれど、私もあんな卯月を初めてみた。


肝心な弥生の返事なのだけど。



「ごめん。好きではないから」


「ですよね……」
「でも、後1cmだけ進んだら好きになりそうな所にはいる……かもね」



やっぱり。

弥生はちょろかった。
それか本当に卯月が頑張ったのか。



「それなら、後夜祭の僕のパートナーになっていただけますか?」


「……はい。喜んで」



後夜祭のパートナー……か……。



私も誰か誘わないと。

でもまあ、強制参加ではないし。
出るなら先輩とがいいなとか思ったりもして。


そうして、私は勝手に妄想を膨らませていたのだった。




< 89 / 114 >

この作品をシェア

pagetop