先輩のアプローチがすごい。




「愛ちゃーん?もう行かないと遅れちゃうよ?」



玄関から先輩が私を呼ぶ。


今日1日だけは先輩に負けて一緒に学校へ行くことになった。



「すみません、和泉と恵菜に遊ばれてしまって」


「んー、今日はいつもより可愛いな」


顎に指を添えてまじまじと私をみる先輩。



いつもは長い髪の毛が邪魔だからポニーテールかお団子なんだけど、今日はせっかくのデートなんだからって2人が私の髪を可愛くしてくれた。


デートなんかじゃないけれど。



「髪、巻いたのなんて初めてです。変じゃないですか?」


「うん。世界一可愛い」


「……流石に世界一はどうかと思います」



だけどいつもよりも自分に自信がついたのは確かだけどね。
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