先輩のアプローチがすごい。
「はぁ……。あれは一瞬死んだな俺」
妖怪ジャングルパークを出た途端にいつもの強気で余裕そうな先輩にスッと切り替わった。
「先輩って普段はカッコつけてるんですか?」
「え、なんで?」
「だって、中にいた時の先輩すごく可愛かったから」
私がくすくす笑っていると先輩がすごくニヤニヤしてこっちを見てくる。
今にもハスハスしそなくらい気色の悪いニヤニヤ顔。
「先輩、失礼だったらごめんなさい…」
「ん?」
「今のめっちゃ気色悪かったです」
「え?」
私にそう言われた途端、先輩はその場で石と化していて。
顔の前で手を振っても数秒無反応だった。
流石の私もすこしだけ申し訳ない気持ちが湧き出てきた。