先輩のアプローチがすごい。




お化け屋敷の後はあんなことがあったものの。

その後先輩はケロッといつも通りに戻って、3年生の出店を紹介してくれた。


4日目の終了時間まで残り1時間ほどになって私たちは屋上に設置されているソファに座って休憩していた。




『実行委員からの連絡です。最終日、5日目に行われる後夜祭のペア登録をしていない生徒は4日目終了の1時間後、14時までに規定の場所へ報告に来てください。繰り返します。最終日………』



「あ、そうそう。今日はこれを誘おうと思って」

「これって?」

「後夜祭に決まってるでしょ?」



そう言って先輩はソファから降りて私の前にしゃがみ、手を下からそっと握った。



「桜木愛莉さん。僕と一緒に後夜祭に参加していただけますか?」

「な、なんでそんな照れることするんですか…」

「カッコつけとこうかなって」



こんなお姫様みたいなことされたことないから少しだけドキドキしてしまう。



「こちらこそ。よろしく…お願いします」

「うん。よろしくね」



こうして今日に続き明日も先輩との約束ができたのだった。


明日は、エンディングにミスコンの結果発表、そして先輩との後夜祭まで内容の濃い1日になりそうな予感。









< 98 / 114 >

この作品をシェア

pagetop