マグ

なんだか最後まで自分の中ではっきりとはしなかったが、きっとこの頃、私は優哉のことを男として意識して、恋しつつあったのだと思う。


『優哉のこと好きかもしれない』と兄に言った時、優哉の着ていたシャツの色が思い浮かんだ。


シトロンミスト。


綺麗だけど、淡くはかない色だ。


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