ぼくの話をしようと思う
☆
『どのくらい歩いて、ここまで来た?』
ぼくの方を見て、兵隊さんが言った。
『…さぁ、でもかなり歩きました』
兵隊さんは明らかに年下だったけど、でも生まれた年を考えると大先輩だ。
だからぼくは、自然と敬語になった。
『でもあんまり疲れてないでしょ』
言われるまで意識してなかったけど、たしかに歩いた距離から考えれば不自然なほど、疲れてない。
『天国では、体が軽くなるんだ。ぼくはもう慣れてしまったけど、新入りならラクだろ?』
『慣れるんですか』
『そりゃあね、ずっとここで暮らしていれば、これが普通になるよ』
…ずっとここで暮らしていれば…。
そう言って、兵隊さんは遠い目をした。
『どのくらい歩いて、ここまで来た?』
ぼくの方を見て、兵隊さんが言った。
『…さぁ、でもかなり歩きました』
兵隊さんは明らかに年下だったけど、でも生まれた年を考えると大先輩だ。
だからぼくは、自然と敬語になった。
『でもあんまり疲れてないでしょ』
言われるまで意識してなかったけど、たしかに歩いた距離から考えれば不自然なほど、疲れてない。
『天国では、体が軽くなるんだ。ぼくはもう慣れてしまったけど、新入りならラクだろ?』
『慣れるんですか』
『そりゃあね、ずっとここで暮らしていれば、これが普通になるよ』
…ずっとここで暮らしていれば…。
そう言って、兵隊さんは遠い目をした。