ぼくの話をしようと思う
scene_4
☆
繭が見えなくなって、接触に失敗したぼくは、しばらくその場から動けなかった。
意気消沈しちゃってさ。
近くの植え込みの角に座って、ただぼんやりしてた。
あれだけあった人だかりも、徐々に少なくなっていった。
さっきの「彼氏騒ぎ」を見てた人は、ちょっとぼくに興味があるみたいだったけど、ぼくの様子を見て、声をかけてくる人は誰もいなかった。
…さて、次はどうしようか…―
って考えようとはするものの、思考回路がうまく回ってくれない。
頭の中は、ほんの数分前に見た繭の笑顔でいっぱいだったから。
ところがそのとき、ふいに、見覚えのある顔が目の前を横切ったんだ。
そのとき、ぼくはもう、言葉にならないほど驚いた。
だってその見覚えのある顔ってのは…。
……。
忘れもしない。
あの宗教団体の、
教祖だったんだ…。
繭が見えなくなって、接触に失敗したぼくは、しばらくその場から動けなかった。
意気消沈しちゃってさ。
近くの植え込みの角に座って、ただぼんやりしてた。
あれだけあった人だかりも、徐々に少なくなっていった。
さっきの「彼氏騒ぎ」を見てた人は、ちょっとぼくに興味があるみたいだったけど、ぼくの様子を見て、声をかけてくる人は誰もいなかった。
…さて、次はどうしようか…―
って考えようとはするものの、思考回路がうまく回ってくれない。
頭の中は、ほんの数分前に見た繭の笑顔でいっぱいだったから。
ところがそのとき、ふいに、見覚えのある顔が目の前を横切ったんだ。
そのとき、ぼくはもう、言葉にならないほど驚いた。
だってその見覚えのある顔ってのは…。
……。
忘れもしない。
あの宗教団体の、
教祖だったんだ…。