【短編集】 Blue moment
episode4
『ウィーーーン』
バイト先のコンビニで自動ドアが開くたびに顔を上げてお客さんを確認してしまう。
あ……また違う。
彼じゃない。
シルバーアッシュの長めの前髪で顔なんてほとんど見えない彼は、いつもこのくらいの時間に来て32番のタバコを買って行く。
はぁーー………。
今日も来てくれないのかな…。
1週間前。
毎日タバコを買いにくる彼にこっそり告白をしたのだ。
タバコの裏のフィルムに油性ペンで『好きです』と書いて渡した。
名前も知らない彼。
どこの誰かもわからない彼。
公園で泥だらけの子猫を助ける彼の姿を偶然見ていたら、視線を逸らすことができなくなっちゃって…。
自分のTシャツを脱いで子猫を包む姿がとても愛おしくて…。
恋に落ちた瞬間だった。
やっぱ、振られちゃったのかなぁ…。
もう、2度とお店に来てくれないのかなぁ……
やだ……
バイト中なのに涙が溢れそう……
『ウィーーーン』
えっ…………
次に入ってきたお客さんは待ちに待った彼だった。
店内をぐるりと一周すると、レジに並んだ。
カゴから一つ一つ商品を出してくれたので、そのままバーコードを通す。
今日はタバコ買わないんだ…。
ってか、今日は1人で呑むのかなぁ??
うめサワーにおつまみ。
まぁ、何を買ってもお客様の自由なんだけどね…。
レジ袋に商品を詰めて、お会計を終わらす。
「レシートはどうなさいますか?」
「……いや、いらない。あげるよ。」
と言って、さっさと店から出て行ってしまった。
あぁ………。
もしかして、私の告白は気づかれなかったのかしら?
1週間ぶりだと言うのに普通に店員とお客さんで終わってしまった…。
はぁーーー……………。
本日2度目のため息は大きい。
あれ?
えっ!?
うそ!?
--------------------------------------------------
コンビニBenllys
20 X X年X月X日 XX時XX分
俺の梅サワー ¥350
ももグミ ¥85
スルメ ¥195
キャラメル いちご味 ¥124
合計(4点) ¥754
またのご利用お待ちしております。
--------------------------------------------------
捨てようとした先ほどのレシートを見て驚いた。
このレシートの商品の頭文字って!!!!!!!
バイトが終わり、急いで従業員用のドアを出ると彼がタバコを吸いながら塀にもたれかかって立っていた。
「あ…あの。」
「何?」
そっけなく答える彼。
「あのレシート宝物にしていいですか??」
「良かった…。気付かれずに捨てられてたらどうしようかと思ってた(笑)」
ハニカム笑顔を見せると、ゆっくり彼が近づいてきて唇に甘く甘くキスをした。
バイト先のコンビニで自動ドアが開くたびに顔を上げてお客さんを確認してしまう。
あ……また違う。
彼じゃない。
シルバーアッシュの長めの前髪で顔なんてほとんど見えない彼は、いつもこのくらいの時間に来て32番のタバコを買って行く。
はぁーー………。
今日も来てくれないのかな…。
1週間前。
毎日タバコを買いにくる彼にこっそり告白をしたのだ。
タバコの裏のフィルムに油性ペンで『好きです』と書いて渡した。
名前も知らない彼。
どこの誰かもわからない彼。
公園で泥だらけの子猫を助ける彼の姿を偶然見ていたら、視線を逸らすことができなくなっちゃって…。
自分のTシャツを脱いで子猫を包む姿がとても愛おしくて…。
恋に落ちた瞬間だった。
やっぱ、振られちゃったのかなぁ…。
もう、2度とお店に来てくれないのかなぁ……
やだ……
バイト中なのに涙が溢れそう……
『ウィーーーン』
えっ…………
次に入ってきたお客さんは待ちに待った彼だった。
店内をぐるりと一周すると、レジに並んだ。
カゴから一つ一つ商品を出してくれたので、そのままバーコードを通す。
今日はタバコ買わないんだ…。
ってか、今日は1人で呑むのかなぁ??
うめサワーにおつまみ。
まぁ、何を買ってもお客様の自由なんだけどね…。
レジ袋に商品を詰めて、お会計を終わらす。
「レシートはどうなさいますか?」
「……いや、いらない。あげるよ。」
と言って、さっさと店から出て行ってしまった。
あぁ………。
もしかして、私の告白は気づかれなかったのかしら?
1週間ぶりだと言うのに普通に店員とお客さんで終わってしまった…。
はぁーーー……………。
本日2度目のため息は大きい。
あれ?
えっ!?
うそ!?
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コンビニBenllys
20 X X年X月X日 XX時XX分
俺の梅サワー ¥350
ももグミ ¥85
スルメ ¥195
キャラメル いちご味 ¥124
合計(4点) ¥754
またのご利用お待ちしております。
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捨てようとした先ほどのレシートを見て驚いた。
このレシートの商品の頭文字って!!!!!!!
バイトが終わり、急いで従業員用のドアを出ると彼がタバコを吸いながら塀にもたれかかって立っていた。
「あ…あの。」
「何?」
そっけなく答える彼。
「あのレシート宝物にしていいですか??」
「良かった…。気付かれずに捨てられてたらどうしようかと思ってた(笑)」
ハニカム笑顔を見せると、ゆっくり彼が近づいてきて唇に甘く甘くキスをした。