ハニー・メモリー
「昔、映画で見た事があるんだ。ニューハーフが好きな相手を酔わすの。眠ってる間に、男の股間を嘗めまわしてエッチするシーンがあったんだわ。グッスリと寝ていても、男は勃起しちゃうの。ニューハーフは跨って心地良さげに腰を振ってた。もしかしたら、そのパターンかもしれないね。逆レイプってやつ」
「そ、そんなまさか……」
つまり、睡眠薬を盛られた伯は須藤に襲われたということになるのだろうか?
「まぁ、仮説に過ぎないけどね……。何にせよ、もしも堕胎するなら早くしないと手遅れになるよ。つーか、本当に、その女は妊娠したのかな?」
「母子手帳もあったわ。松平クリニックに通う妊婦さんみたいなんだ」
「そんなの偽造されたものかもしれないよ。中味を確認しないと駄目だよ。ネットで母子手帳を売ってるからね」
「えーっ、そんなもの売る人がいるの?」
「赤ちゃんが出来たって嘘をついて既婚者から金を脅すイタイ女もいるよ。興味本位で、赤ん坊のエコー写真を手に入れる人もいるからね。あと、漫画家の参考資料とかで、母子手帳を取り寄せるとか、そういうのもあるよね」
なるほど、そういう可能性について考えた事はなかった。須藤がイタイ女だというのは間違いなさそうなので、妊娠も虚偽なのかもしれない。
「ところで、あなたは東堂さんとはどうなの?」
すると、エリカが晴れやかな顔で言った。
「あの後、好きだと打ち明けたよーん」
「きゃ、すごい。そ、それで、どうなった?」
「おじさんも、エリカと離れたくないって言ってるの。ふふ、内緒だよ。こないだ、おじさんが眠っていたから、エリカ、そっと唇にキスしちゃったの。すんごいドキドキしたわ。でね、いつのまにか、あたしも眠ってたの。そしたら、おじさん、おんぶして自宅まで送ってくれたの」
「きゃー、ロマンチックだね」
真帆は東堂のことなど吹っ切れている。だから、エリカの事を応援するのが楽ししい。何でも話せるエリカは貴重な存在となっている。歳の差はあるけれど、親友が出来たようで嬉しい。
「あのね、昨日、おじさん、うちにきたの。ママに言ってくれたの。結婚を前程にお付き合いさせて下さいって。だけど、二十歳まで清らかな関係を保ちますって言ったの。どんどん手を出していいのよってママは言ったけど、おじさん、そこは守るんだってさ。という事で、晴れて自由の身になりましたぁ~ もう医学部には行きませーん。ていうか、あたしのレベルじゃ無理でーす」
イエーイと、ピースサインを出しながら陽気に笑っている。
「それじゃ、もう塾に通う必要なくなったんじゃないの?」
「ううん。保育のある大学を受験はするの。だから、ここに通うよ。立派な保育園の先生になりたいもん。今まで、全教科を教えてもらっていたけど、英語だけでいいや。いい点数を取って志望校に入ってみせるよ」
「そ、そんなまさか……」
つまり、睡眠薬を盛られた伯は須藤に襲われたということになるのだろうか?
「まぁ、仮説に過ぎないけどね……。何にせよ、もしも堕胎するなら早くしないと手遅れになるよ。つーか、本当に、その女は妊娠したのかな?」
「母子手帳もあったわ。松平クリニックに通う妊婦さんみたいなんだ」
「そんなの偽造されたものかもしれないよ。中味を確認しないと駄目だよ。ネットで母子手帳を売ってるからね」
「えーっ、そんなもの売る人がいるの?」
「赤ちゃんが出来たって嘘をついて既婚者から金を脅すイタイ女もいるよ。興味本位で、赤ん坊のエコー写真を手に入れる人もいるからね。あと、漫画家の参考資料とかで、母子手帳を取り寄せるとか、そういうのもあるよね」
なるほど、そういう可能性について考えた事はなかった。須藤がイタイ女だというのは間違いなさそうなので、妊娠も虚偽なのかもしれない。
「ところで、あなたは東堂さんとはどうなの?」
すると、エリカが晴れやかな顔で言った。
「あの後、好きだと打ち明けたよーん」
「きゃ、すごい。そ、それで、どうなった?」
「おじさんも、エリカと離れたくないって言ってるの。ふふ、内緒だよ。こないだ、おじさんが眠っていたから、エリカ、そっと唇にキスしちゃったの。すんごいドキドキしたわ。でね、いつのまにか、あたしも眠ってたの。そしたら、おじさん、おんぶして自宅まで送ってくれたの」
「きゃー、ロマンチックだね」
真帆は東堂のことなど吹っ切れている。だから、エリカの事を応援するのが楽ししい。何でも話せるエリカは貴重な存在となっている。歳の差はあるけれど、親友が出来たようで嬉しい。
「あのね、昨日、おじさん、うちにきたの。ママに言ってくれたの。結婚を前程にお付き合いさせて下さいって。だけど、二十歳まで清らかな関係を保ちますって言ったの。どんどん手を出していいのよってママは言ったけど、おじさん、そこは守るんだってさ。という事で、晴れて自由の身になりましたぁ~ もう医学部には行きませーん。ていうか、あたしのレベルじゃ無理でーす」
イエーイと、ピースサインを出しながら陽気に笑っている。
「それじゃ、もう塾に通う必要なくなったんじゃないの?」
「ううん。保育のある大学を受験はするの。だから、ここに通うよ。立派な保育園の先生になりたいもん。今まで、全教科を教えてもらっていたけど、英語だけでいいや。いい点数を取って志望校に入ってみせるよ」