別れて15年 〜35歳の2人〜
ファミレス
1番近くにあったファミレスに入り、ポテトを食べながら
「あ〜びっくりしたわ〜!」
笑いながらも普通に話し出す悠。
私は未だ驚きすぎて、自分が何を注文したかも分からないままとりあえず来た目の前のコーヒーを飲む。
「ほんとにね。こんなことあるんだね」
「職場この辺なの?俺ここの競輪場、レースで何回も来てるよ?」
「そう、職場近いの。競輪場も近くにあるの知ってたけど、まさか会うと思わなかったからあんまり意識したことなかった...」
「まぁ、確かに、近くても会うとは思わないよな」
そこから私たちはお互いの仕事や家庭についてやんわり話した。
パスタを頼んだらしい私と、ハンバーグを頬張る悠。
どちらも家庭は円満、お互い幸せな家族を築けていたことに安心した。
「でもさ、お互い家族がいるって不思議な感じだよな。あの頃は上京とか自分の夢とか、そういう割合が大きかったから」
「そだね、私も学生だったし、自分の進路とか友だち付き合いとか。家族って遠いイメージだったからなー」
「でも、桃とは若いなりに本気だった。
好きだったよ」
あ、ほら、また。
真剣な表情。
でもそれは一瞬で
「ははは!若かった!いーな、若さ!」
って笑い飛ばす悠。
悠にはどんな思い出になってる?
って聞きたかった。
私は....
いや、今幸せな家庭があるのに聞く必要ない!
自分でブレーキをかける。
「そろそろ行かなきゃ」
「そーだな、行くか!
またさ、れんらくっ...」
言いかけてハッとする悠。
伝わってしまう。
悠が何を思ったか。
悠もブレーキをかけた。
昔もそうだった、何を考えてるかお互い言葉にするのが上手じゃなくて
言葉での話し合いとかできなくて
でも、表情とか仕草で何を考えてるか分かる時がある。
特に同じことを思っている時。
今もそう。
家族のこと考えたよね。
一緒。私も。
そしてもう一つ、
"連絡先は消す。もう連絡はとらない"
別れの最後に交わした約束。
それでいい。
「ごちそうさま、悠。ありがとう」
「おう、研修頑張って〜!」
お互い笑顔で別れた。
昔の思い出に引っ張られそうになるのを抑えて足早に研修へと向かった。
「あ〜びっくりしたわ〜!」
笑いながらも普通に話し出す悠。
私は未だ驚きすぎて、自分が何を注文したかも分からないままとりあえず来た目の前のコーヒーを飲む。
「ほんとにね。こんなことあるんだね」
「職場この辺なの?俺ここの競輪場、レースで何回も来てるよ?」
「そう、職場近いの。競輪場も近くにあるの知ってたけど、まさか会うと思わなかったからあんまり意識したことなかった...」
「まぁ、確かに、近くても会うとは思わないよな」
そこから私たちはお互いの仕事や家庭についてやんわり話した。
パスタを頼んだらしい私と、ハンバーグを頬張る悠。
どちらも家庭は円満、お互い幸せな家族を築けていたことに安心した。
「でもさ、お互い家族がいるって不思議な感じだよな。あの頃は上京とか自分の夢とか、そういう割合が大きかったから」
「そだね、私も学生だったし、自分の進路とか友だち付き合いとか。家族って遠いイメージだったからなー」
「でも、桃とは若いなりに本気だった。
好きだったよ」
あ、ほら、また。
真剣な表情。
でもそれは一瞬で
「ははは!若かった!いーな、若さ!」
って笑い飛ばす悠。
悠にはどんな思い出になってる?
って聞きたかった。
私は....
いや、今幸せな家庭があるのに聞く必要ない!
自分でブレーキをかける。
「そろそろ行かなきゃ」
「そーだな、行くか!
またさ、れんらくっ...」
言いかけてハッとする悠。
伝わってしまう。
悠が何を思ったか。
悠もブレーキをかけた。
昔もそうだった、何を考えてるかお互い言葉にするのが上手じゃなくて
言葉での話し合いとかできなくて
でも、表情とか仕草で何を考えてるか分かる時がある。
特に同じことを思っている時。
今もそう。
家族のこと考えたよね。
一緒。私も。
そしてもう一つ、
"連絡先は消す。もう連絡はとらない"
別れの最後に交わした約束。
それでいい。
「ごちそうさま、悠。ありがとう」
「おう、研修頑張って〜!」
お互い笑顔で別れた。
昔の思い出に引っ張られそうになるのを抑えて足早に研修へと向かった。