あなたの傷痕にキスを〜有能なホテル支配人は彼女とベビーを囲い込む〜
「俺。里穂をみつけた時や、慎里が俺の息子とわかった時と同じくらい嬉しい……!」

 里穂と一緒にいると幸せの上方修正ばっかりだ、と言ってくれる夫。

 里穂も彼と再び心が通いあってから喜びしか受け取ってない。

 二人はソファに並んで座りながらこれからのことを話し合った。

「まだホテル学校途中だから、できればぎりぎりまで出勤したい」

 里穂は訴えた。
 慎吾がどれだけ自分を大事にしてくれるか、里穂自身が一番よく知っている。

 働きながらの妊婦生活について反対されそうな気がするが、自分としては育ててくれたエスタークに恩返しができないまま産休には入れない。

 ところが、慎吾は賛成してくれた。

「護孝と話してたが『つわり時短』というのを考えてはいるんだ」

 慎里の話に里穂は目を輝かせた。

「なんてスーパーな旦那様達なの!」

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