あなたの傷痕にキスを〜有能なホテル支配人は彼女とベビーを囲い込む〜
妊娠十六週。
産院で行ってもらった超音波診断から、第二子はどうやら女の子のようだ。
男児は十四から十五週くらいで外性器がエコーに映るようになるが、今回の検診でも見当たらない。
慎み深い子らしくて、股をピッタリ閉じていたのだ。
産院から帰ってくると里穂と慎吾達はリビングのソファに落ち着き、名前リスト表をタブレットから呼び出した。
「女の子みたいだな」
慎吾は嬉しそうだ。
里穂も、慎里は可愛いが娘も可愛いだろうと思う。
「慎吾はどっちがいいの?」
彼は、質問してきた最愛の妻にキスを贈った。
「どっちでもいいよ。無事に生まれてくれて、里穂も元気なら」
里穂はにっこり微笑んだのち、思案する表情になった。
「名前、女の子に絞っていいかな」
――二人は名前の候補を考えて、沢山考えすぎて収拾がつかなくなっていた。
「こういう時は親の名前を書き出してみるか」
自分達の名前に潜むヒントを見つけられるかもしれない。
慎吾が自分の両親の名前をタブレットに書き始めた。
里穂が覗きこむ。
「慎吾のお義父さんが『慎一』さん。お義母さんが『季子』さん……あら」
里穂が気がついたような声を上げた。
産院で行ってもらった超音波診断から、第二子はどうやら女の子のようだ。
男児は十四から十五週くらいで外性器がエコーに映るようになるが、今回の検診でも見当たらない。
慎み深い子らしくて、股をピッタリ閉じていたのだ。
産院から帰ってくると里穂と慎吾達はリビングのソファに落ち着き、名前リスト表をタブレットから呼び出した。
「女の子みたいだな」
慎吾は嬉しそうだ。
里穂も、慎里は可愛いが娘も可愛いだろうと思う。
「慎吾はどっちがいいの?」
彼は、質問してきた最愛の妻にキスを贈った。
「どっちでもいいよ。無事に生まれてくれて、里穂も元気なら」
里穂はにっこり微笑んだのち、思案する表情になった。
「名前、女の子に絞っていいかな」
――二人は名前の候補を考えて、沢山考えすぎて収拾がつかなくなっていた。
「こういう時は親の名前を書き出してみるか」
自分達の名前に潜むヒントを見つけられるかもしれない。
慎吾が自分の両親の名前をタブレットに書き始めた。
里穂が覗きこむ。
「慎吾のお義父さんが『慎一』さん。お義母さんが『季子』さん……あら」
里穂が気がついたような声を上げた。