恋愛したことのない仕事人間が、真っ直ぐに愛を告げられまして。


 ケーキを二人で食べて、飲み物を岩崎さんが取って来てくれたアイスティーを受け取って飲む。


「宗尊さんって、ここに参加してるってことは好きな人とかいないの?」

「あ、はい。いないです……ずっと仕事一筋だったので」

「へぇ〜そういえば、なんで福祉用具の相談員になろうと思ったとかある? きっかけとか……」

「私、元々介護士してたんです。その時に福祉用具のことがもっとふかく知りたいって思って。深く知れば、その人に合った福祉用具を提供できて生活がしやすくなるかもなんて思ったからですね」


 私も、介護の専門学校には行っていたから元々介護士をしていた。だけど介護士として直接関わるよりも生活がしやすいように環境を整えてあげれる仕事のほうが自分にはあってるなぁと感じて講習を受けに行ったんだよね。


「そうなんだ、すごいね」

「いえ、岩崎さんはなんでケアマネを目指したんですか?」

「俺も同じような理由だよ。俺も介護士していて、直接関わるより裏で支えた方が俺には合ってるなと思ってね。やっぱり人には適材適所があると思うし」

「確かにそうですね。ふふ……今日は岩崎さんとお話ができて嬉しかったです。来てよかったって思ました」

「俺も、宗尊さんと話ができてよかったよ。宗尊さんがよかったらまた、仕事じゃなくて話がしたい。会いたい。休みの日、教えてほしい」


 うわぁ……こんなかっこいい人に会いたいなんて言われたら断るなんてできなくて……私は頷くしかなかった。


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