恋愛したことのない仕事人間が、真っ直ぐに愛を告げられまして。
お出かけ
パーティーから数日後の金曜日の夕方。
私は仕事をパパッと終わらせて珍しく定時でカバンを持った。
「お疲れ様でした〜! お先に失礼します」
タイムカードを押してから挨拶をすると、部長に声を掛けられた。
「あれ、宗尊さん。今日、早いね?」
「少し用事がありまして」
「そうなんだ。なんか、今日はお洒落だしデート?」
「デートではなくて、お出かけです」
きっとお洒落なのは、ナチュラルメイクをしているからだ。服も、そんなに着ることがないスカートだし。
「そう? まぁ、楽しんできなさい」
「ありがとうございます……」
部長は、私が相談員の資格を取りこの会社に就職した時の教育係をしてくださった方で社会福祉士に介護福祉士、ケアマネジャーなどの資格を取得していてすごい人だったりする。
たまにお昼行ったりするから仲はいいからこんな感じの談笑はよくある。まぁ、大体部長の旦那さんの愚痴とかだけど。
「ま、お疲れ様〜」
「はい、お疲れ様でした」
私は部長と別れ、会社から出るとここから近いカフェに向かった。