恋愛したことのない仕事人間が、真っ直ぐに愛を告げられまして。


「遅くなってしまい、申し訳ありません。宗尊さん」

「いいえ、大丈夫です。今回担当します福祉用具専門相談員の宗尊千花と申します」


 一応初対面なので恒例の名刺交換。

「ありがとうございます。私がお電話をさせていただいたケアマネージャーの岩崎と申します。よろしくお願いします」

「こちらこそよろしくお願いします」


 それから、この施設で担当している介護士や理学療法士の方々が入ってきて会議が始まった。



「……山田肇さん。七十五歳、男性です。脳梗塞で夏に倒れられ、現在は軽度の左側上下肢麻痺があります。要介護度は二です。退院されることになったのでーー」

 岩崎さんから利用者さんの説明を受けて私は、選定提案を取り出してコピーしたものを配布した。

「福祉用具専門相談員の宗尊です。山田肇さんから聞き取った内容から必要な理由を書き出しその上でこちらの福祉用具をご提案させていただきます」

 選定提案書には、介護用ベッドや車椅子に杖などの商品名や価格を書き込んでありそれに合わせてパンフレットで説明をして岩崎さん及び他専門員さんの意見で採用と不採用がバンバン挙げられていった。


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