恋愛したことのない仕事人間が、真っ直ぐに愛を告げられまして。
「んー……」
寝返りを打つとなんだかいつもとは違う感じのお布団に違和感を覚えた。うっすらと、目が開けると見知らぬ天井が広がっていた。
あれ、ここ……は。というか、ベッド!?
そう思って起き上がるも、昨日のお酒のせいか頭が痛い。二日酔いっていうやつかもしれない。
「でも、なんでベッドに? 昨日は確か陽世さんとご飯に行って、お酒を陽世さんの部屋で飲んで……ということは、このベッドって陽世さんの!?」
やばい、やばい、やばい!!
お酒を飲んでからの記憶が全くない。
というか、よくみると私……下着すら付けていないことに気付いた。
それに隣には陽世さんがぐっすりとまだ眠っている。もう一度寝てしまおうか、もしかしたらこれは夢なのかもしれないし。
そう思って、目を閉じる。
だが、なんにも変わることはなかった。
そうこうしているうちに時間は進むわけで「んっ」というなんとも艶っぽい声を発した陽世さんは目を開けた。
私のこのアタフタしている心の中を知るわけがない彼は寝ぼけているのか微笑んで「おはよう」と言ったのだった。