恋愛したことのない仕事人間が、真っ直ぐに愛を告げられまして。
「じゃあさ、岩崎さんと会えたら嬉しい? 笑顔になれる?」
「嬉しいは嬉しいけど……」
陽世さんと会えたら確かに嬉しくなる。少し口角が緩んじゃうかもしれない。
「岩崎さんと会えなかったら寂しい?」
「……寂しい、かもしれない」
「じゃあ二つ目。岩崎さんが違う女の子といたらどう? どういう気持ちになる?」
「……っ……それは、いやだ」
それは、いやだ。なんかいやだ。
「千花の気持ちはもう一つじゃないの。そうと決まれば、連絡して会いなさい! ちゃんと、想い伝えなさいな」
「えっ、でもこれが本当の恋愛感情なのかわからないし」
「わからないならそうやっていえばいいんだよ。絶対、岩崎さんは受け止めてくれるから」
美奈代から「ね?」と言われて、スマホを取り出してLINEのトークページを開いた。
【千花です。陽世さんが都合いい時でいいのですが、会えませんか? 会いたいです】
それだけ送って、私は恥ずかしくなってLINEを閉じた。