恋愛したことのない仕事人間が、真っ直ぐに愛を告げられまして。



「ありがとうございます〜では、あちらでプロフィールシートのご記入をお願いします」


 プロフィールシートを受け取って、記入スペースに行ってそれを書き始める。それには、名前や年齢に職種などの基本的な情報や趣味とか好きなものとかも書くスペースがあった。私はそれに丁寧に書いていたら「うわ、真面目だね。相変わらず」と後ろから声が聞こえた。


「美奈代……もう書けたの?」

「うん。私、なんとなくで書いたし」

「そうなんだ。そんなんでいいのか」

「そーだよ。番号札貰いに行こう」


 美奈代に促され、ボールペンを置いてから中の受付に行ってプロフィールカードを見せた。


「ご記入、ありがとうございます。宗尊千花さんですね……では、こちらの十二番をお願いします」

「ありがとうございます」

「ではいい出会いがありますように」


 スタッフさんのありきたりな台詞を聞き、美奈代と一緒に船内に入った。



 船内に入ると、そこは高級レストランのような空間だった。
 レストランに入るとそこにもスタッフさんが立っていて、グループ別で分けられているテーブルに案内される。番号が違うから美奈代とは離れちゃって少し一人は不安だったけど、テーブルの近くにある椅子に座り、時間になるのを待った。



 
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