"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
恭平は事の全てを洸平に告白した。
反応は宝来と同じだ。子どもみたいだと笑われた。苦笑する恭平に、洸平は笑顔を向ける。
「兄さん、大丈夫だよ」
「大丈夫?どこをどうとっても大丈夫ではないだろう」
「だって、兄さんには内緒だったけど、オセオンってね、ざっくり言うと、兄さんなんだよ」
「は?」
「僕がオーディションを受けた時、オセオンは確かに俺様系っていう設定だったんだけど、どういう方向に持っていくか迷ってたんだって。僕の事で話し合いをしたでしょ。その時、社長さん、ピンときたんだって。オセオンは兄さんだって。それから、兄さんをイメージして作り上げていったんだって。兄さん、僕の仕事場に何度か顔を出したことがあったでしょ。その時、クリエーターさんたち、兄さんのこと凄く観察してたみたいだよ。僕も、兄さんがフランスに行くまでその事は知らなかったんだけど、モデルがいなくなるって、みんな慌ててたから」
「なんだそれ……」
「だから大丈夫。オセオンを好きな真琴さんイコール、兄さんのことが好きって事じゃないの?」
「何だかよくわからん理屈だな」
「兄さんは兄さんのままでいればいいんだよ。運命の人ならいつか絶対会えるから」
恭平の身体から鉛のような重たさは消えていた。
自分が守ってきたと思っていた洸平。実は、恭平自身が洸平の存在に守られていたのだと自分の傲慢さに失笑した。
「なぁ、洸平」
「何?」
「彼女はお前の名前、知ってるのか?」
「知らないよ。僕名乗ってないから。それに、真琴さんも僕が苗字まで知ってるなんて思ってないかも」
「何故?」
「だって、真琴さん名乗ってないもん。僕が真琴さんだって知ったのは、彼女のお母さんがそう呼んでたから。苗字は表札を見て知ったの」
「そうだったのか……」
「多分、真琴さん気づいてないよね。羽梢斗久麻が自分の名前だって」
洸平は穏やかな笑みを浮かべている。
恭平は運命とやらを信じてみることにした。
反応は宝来と同じだ。子どもみたいだと笑われた。苦笑する恭平に、洸平は笑顔を向ける。
「兄さん、大丈夫だよ」
「大丈夫?どこをどうとっても大丈夫ではないだろう」
「だって、兄さんには内緒だったけど、オセオンってね、ざっくり言うと、兄さんなんだよ」
「は?」
「僕がオーディションを受けた時、オセオンは確かに俺様系っていう設定だったんだけど、どういう方向に持っていくか迷ってたんだって。僕の事で話し合いをしたでしょ。その時、社長さん、ピンときたんだって。オセオンは兄さんだって。それから、兄さんをイメージして作り上げていったんだって。兄さん、僕の仕事場に何度か顔を出したことがあったでしょ。その時、クリエーターさんたち、兄さんのこと凄く観察してたみたいだよ。僕も、兄さんがフランスに行くまでその事は知らなかったんだけど、モデルがいなくなるって、みんな慌ててたから」
「なんだそれ……」
「だから大丈夫。オセオンを好きな真琴さんイコール、兄さんのことが好きって事じゃないの?」
「何だかよくわからん理屈だな」
「兄さんは兄さんのままでいればいいんだよ。運命の人ならいつか絶対会えるから」
恭平の身体から鉛のような重たさは消えていた。
自分が守ってきたと思っていた洸平。実は、恭平自身が洸平の存在に守られていたのだと自分の傲慢さに失笑した。
「なぁ、洸平」
「何?」
「彼女はお前の名前、知ってるのか?」
「知らないよ。僕名乗ってないから。それに、真琴さんも僕が苗字まで知ってるなんて思ってないかも」
「何故?」
「だって、真琴さん名乗ってないもん。僕が真琴さんだって知ったのは、彼女のお母さんがそう呼んでたから。苗字は表札を見て知ったの」
「そうだったのか……」
「多分、真琴さん気づいてないよね。羽梢斗久麻が自分の名前だって」
洸平は穏やかな笑みを浮かべている。
恭平は運命とやらを信じてみることにした。