"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
告白と愛
◇◇◇◇◇
「僕がオセオン、オセオンの声、なんだ……」
「え……洸平さん、今何て?」
「僕は声優で、オセオンの声は僕なんだ」
「……」
衝撃の告白を受け、思考が追いついていかない。
必死に頭の中を整理する。
にわかに信じがたい告白だ。何故なら、洸平の声と、オセオンの声は似ても似つかない。洸平の声はとても柔らかく、喋り方は穏やかで癒される。だが、オセオンは違う。耳の奥を這うような低音ボイスで、無愛想極まりない喋り口調なのだ。声の主が同一人物だと信じられるわけがない。かと言って、冗談を言っているようにも思えない。
確認するためにも、今ここで何か話してもらうという手もある。けれど、真琴はできなかった。
オセオンはオセオンであり、洸平は洸平であって欲しい。真琴の我が制止した。
「真琴さん?」
整理しきれず言葉をなくしていた真琴を、洸平は不安げに見つめている。
「真琴さん、ごめんね……」
「どうして洸平さんが謝るんですか」
「オセオンが僕だなんて、がっかりするよね……真琴さん、昔、僕に言ってくれたこと覚えてる?」
「え?」
「僕の声は、唯一無二のものだと思う。2次元オタクが断言しますって」
「はい、覚えています」
「僕、その時、凄い衝撃を受けたんだ。こんな僕にも自信を持っていいものがあるんだって。だから、真琴さんが唯一無二だって言ってくれたこの声でお仕事をさせてもらってる。あの日、真琴さんに出会ってなかったら今の僕はいない。真琴さんには隠しておけなかった。何かの拍子に知ってしまって、意図せず幻滅させてしまうより、自分の口から言っておきたかった。これは自己満足なんだってよくわかってる。それでも僕は……」
「僕がオセオン、オセオンの声、なんだ……」
「え……洸平さん、今何て?」
「僕は声優で、オセオンの声は僕なんだ」
「……」
衝撃の告白を受け、思考が追いついていかない。
必死に頭の中を整理する。
にわかに信じがたい告白だ。何故なら、洸平の声と、オセオンの声は似ても似つかない。洸平の声はとても柔らかく、喋り方は穏やかで癒される。だが、オセオンは違う。耳の奥を這うような低音ボイスで、無愛想極まりない喋り口調なのだ。声の主が同一人物だと信じられるわけがない。かと言って、冗談を言っているようにも思えない。
確認するためにも、今ここで何か話してもらうという手もある。けれど、真琴はできなかった。
オセオンはオセオンであり、洸平は洸平であって欲しい。真琴の我が制止した。
「真琴さん?」
整理しきれず言葉をなくしていた真琴を、洸平は不安げに見つめている。
「真琴さん、ごめんね……」
「どうして洸平さんが謝るんですか」
「オセオンが僕だなんて、がっかりするよね……真琴さん、昔、僕に言ってくれたこと覚えてる?」
「え?」
「僕の声は、唯一無二のものだと思う。2次元オタクが断言しますって」
「はい、覚えています」
「僕、その時、凄い衝撃を受けたんだ。こんな僕にも自信を持っていいものがあるんだって。だから、真琴さんが唯一無二だって言ってくれたこの声でお仕事をさせてもらってる。あの日、真琴さんに出会ってなかったら今の僕はいない。真琴さんには隠しておけなかった。何かの拍子に知ってしまって、意図せず幻滅させてしまうより、自分の口から言っておきたかった。これは自己満足なんだってよくわかってる。それでも僕は……」