"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情

洸平は嘘をつけない、正直な性格なのだ。
ハンサムと言われても謙遜しないし、真琴のことを好きだと告白しておきながら、ラブではないとはっきり否定したり………
神戸で再会した時、僕は野獣かもしれないよ。そう言ったのは、自分がオセオンだということを、遠回しに伝えようとしていたのかもしれない。

これまでの洸平の言動を思い出し、じわりと胸が熱くなる。
オセオンは自分だと告白するのに、ここまで思い悩むのは洸平だからだ。洸平がオセオンでよかった。声優という仕事に就いてくれてよかった。自然にそう思えた。パニック障害を抱えながら、しっかりと自分の道を切り開いている洸平の真の強さに、真琴は強く胸を打たれた。