"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「恭平さんは、洸平さんのことをとても大切にされていらっしゃるんですね。洸平さんが、ずっと僕を守ってくれいたって仰っていましたし」

「うん。僕の仕事を一番に理解して応援してくれてるのも兄さん。僕が大切にしているものを尊重して、同じように大切にしてくれるのも兄さん。さっき、真琴さんがオセオンについて質問した時、兄さん、ポンポン答えてたでしょ。僕の担当しているキャラクターは全部把握してるんだよ」

「洸平、もうやめてくれ」

「どうして?いいじゃない」

「俺が救いようのないブラコンみたいじゃないか。見てみろ、彼女の顔、引いてるぞ」

「え⁉︎ 私、全く引いていません!それよりも、納得したことがあるんです。以前から思っていたことなのですが、恭平さんは、ストラップについているオセオンを物ではなく、人として扱っているようでした。ずっとそこが引っかかっていて、洸平さんの話しで、あぁ、そうだったのかと思っていただけです。決して引いていたわけではありません。誤解なさらないでください!」

真琴はムキになって反論している自分に面食らった。
恭平も洸平も、目を丸くし、瞬きを繰り返している。ふたりの表情にどう反応して良いのか分からず、ダイニングカウンターに置かれた時計に視線を移した。針は11時半をまわっている。
< 119 / 197 >

この作品をシェア

pagetop