"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「なぁ、真琴、洸平が週明け早々出ていくんだが、俺と一緒に住まないか?ここよりもセキュリティは万全だし、一人で住むには広すぎる」

「・・・」

「というのは建前で、傍にいて欲しい。本音を言うと、もっと俺だけの真琴にしたい」

恭平の変わらぬ独占欲に顔が緩む。

「考えてみます」

「考えるのか……」

しょげる恭平にキュンとする。

「考えるのか?」

「・・・」

「考えるのか……」

真琴は恭平の頬に軽くキスをした。

「引越しの準備しなきゃいけませんね」

パッと陽を浴びたような恭平の表情が眩しい。真琴に抱きつく恭平も、何度も何度も口づけする恭平も、彼の全てが愛しい。きっと自分の方が恭平という沼にハマっている。恭平を手放せば、廃人になってしまうであろう自分を想像する冷静な真琴がいた。
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