"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
心が段々軽くなっていく。

全てを話し終えた時、恭平は真琴をそっと抱きしめ、頭を撫でてくれた。

「今まで誰にも言えず、苦しかったな」

とめどなく涙が溢れる。恭平の温もりに包まれながら、自分にとって恭平の存在がどれだけ大きなものになっているのか、改めて思い知らされた。

「恭平さん、私に出会ってくれてありがとうございます」

「それはこっちの台詞だ。真琴、生まれてきてありがとな」

恭平の言葉が、真琴に絡みついていた棘のつるを解く。葛葉真琴という存在を全肯定され、真琴の心の壁は完全に崩れ落ちた。

「私、恭平さんを失ったら生きていけません。ごめんなさい、重いですよね」

「重くて何が悪い?俺は大歓迎だ。謝る必要はない。言っておくが、俺の方がもっと重いぞ。もし、真琴が俺の前から姿を消してしまったら、どんな手を使ってでも探し出し、地の果てまで追いかけて行く。どうだ、重いだろう」

真琴はクスッと笑ってしまった。

「それは本当に重いですね。でも、嬉しいです。私、ずっと傍にいてもいいですか?」

「ああ、勿論だ。なんなら、もう一層の事結婚するか?」

「え⁉︎」

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