"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
お昼休みを迎え、真琴は近くのカフェに行こうと席を立った。色々なことがあり過ぎた週末の睡眠不足が祟り、今頃になって睡魔に襲われ、濃いめのコーヒーでも飲もうと思い立ったのだ。
ここ周辺の飲食店はほぼQRコード決済が可能なので、真琴はスマホだけを持ってエレベーターを降りた。勿論、そのスマホにはストラップはついていない。無惨な姿になってしまった大切な宝物は、自宅マンションのガラスケースの中に眠らせている。
扉が開きロビーへ出ると、人だかりができ何やらざわついていた。その隙間を縫うように正面の扉を目指す。
「ほらっ、専務よ!」
どこからか聞こえてきた女性の声で、何事が起こっているのか理解した。
この会社は高学歴が多く、それなりに収入も高い。一歩外へ出れば、ステータスが高いと社員自身が一目置かれる。その社員がこぞって騒ぎ立てるとは、いったいどんな人物なのかと、真琴の好奇心が少々くすぐられた。
立ち止まり、視線の集中する方へ真琴も目を向けた。真琴の目指す正面エントランスから、二人の男性がこちらに向かって歩いてくる。
前方にいる男性の圧倒的なオーラに真琴は身じろいだ。
「嘘でしょ……」
ここ周辺の飲食店はほぼQRコード決済が可能なので、真琴はスマホだけを持ってエレベーターを降りた。勿論、そのスマホにはストラップはついていない。無惨な姿になってしまった大切な宝物は、自宅マンションのガラスケースの中に眠らせている。
扉が開きロビーへ出ると、人だかりができ何やらざわついていた。その隙間を縫うように正面の扉を目指す。
「ほらっ、専務よ!」
どこからか聞こえてきた女性の声で、何事が起こっているのか理解した。
この会社は高学歴が多く、それなりに収入も高い。一歩外へ出れば、ステータスが高いと社員自身が一目置かれる。その社員がこぞって騒ぎ立てるとは、いったいどんな人物なのかと、真琴の好奇心が少々くすぐられた。
立ち止まり、視線の集中する方へ真琴も目を向けた。真琴の目指す正面エントランスから、二人の男性がこちらに向かって歩いてくる。
前方にいる男性の圧倒的なオーラに真琴は身じろいだ。
「嘘でしょ……」