"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
エントランスを出て大きく息をつく。
「参ったな…」
目を覚ますためにカフェに行こうと思ったのに、カフェに行く前に目が覚めてしまった。
しかも、大切なオセオンを傷つけられ、怒りが頂点に達していたとはいえ、思いっきり手を払い除けてしまったのだ。妙な汗が滲む。
それにしても、何故神戸にいたのだろうかとふと疑問に思ったが、今はそんな事などどうでもよい。
とにかく、バレないようにしなければ。いつまでバレずに過ごすことができるだろうか。永遠にバレないで欲しい。
真琴は額に滲む汗を拭った。
それから一ヶ月、バレることなく無事に過ごしている。だが、来月は決算期でもあり、経理部は一年で最も忙しい時期へと突入する。
否応なく会社にいる時間も長くなるのだ。
真琴はより一層気を引き締めた。
午後8時、経理部のフロアーには照明が灯っている。さすがは高難易度の採用試験を突破した集団、凄まじい集中力だ。普段はおちゃらけた態度の社員も、人格が変わったようにやるべき事をなす。
資金調達を管理する財務部が、一日でも早く資金計画に着手できるよう、各々が正確に、且つスピーディーに仕事をこなし、財務諸表(決算書)を作成する。
管理職のチェックを得て出来上がった財務諸表が、財務部に渡った時の達成感は計り知れないほどだ。
真琴が仕事を続けていけるのは、この達成感を味わう為でもある。
「参ったな…」
目を覚ますためにカフェに行こうと思ったのに、カフェに行く前に目が覚めてしまった。
しかも、大切なオセオンを傷つけられ、怒りが頂点に達していたとはいえ、思いっきり手を払い除けてしまったのだ。妙な汗が滲む。
それにしても、何故神戸にいたのだろうかとふと疑問に思ったが、今はそんな事などどうでもよい。
とにかく、バレないようにしなければ。いつまでバレずに過ごすことができるだろうか。永遠にバレないで欲しい。
真琴は額に滲む汗を拭った。
それから一ヶ月、バレることなく無事に過ごしている。だが、来月は決算期でもあり、経理部は一年で最も忙しい時期へと突入する。
否応なく会社にいる時間も長くなるのだ。
真琴はより一層気を引き締めた。
午後8時、経理部のフロアーには照明が灯っている。さすがは高難易度の採用試験を突破した集団、凄まじい集中力だ。普段はおちゃらけた態度の社員も、人格が変わったようにやるべき事をなす。
資金調達を管理する財務部が、一日でも早く資金計画に着手できるよう、各々が正確に、且つスピーディーに仕事をこなし、財務諸表(決算書)を作成する。
管理職のチェックを得て出来上がった財務諸表が、財務部に渡った時の達成感は計り知れないほどだ。
真琴が仕事を続けていけるのは、この達成感を味わう為でもある。