"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情

「みんな揃ったから、食べよう」

テーブルの上には、具沢山の野菜スープ、トースト、苺ジャム、ベーコンエッグ、ブルーベリーヨーグルトスムージーが並んでいる。パンも、苺ジャムも、スムージーも、全て洸平の手作りだ。
真琴は、手作りのパンやスムージーも食したくなり、結局全ての料理が真琴の前にも並んだ。

ちなみに、ダークグレーを基調としたモダンな部屋全体も、洸平が掃除をし、保っているそうだ。圧倒的な家事力に感服した。

真琴の前に置かれた野菜スープをそっと口に運ぶ。見た目も味も、文句のつけどころがない。思った以上に箸が進む。

「凄く美味しい！」

これ以外に言葉が見つからない。レポーターなら失格だろう。

「言ったろう、美味いって」

「はい、本当に美味しいです」

「そう？よかった」

「それにしても、お二人が兄弟だったなんて、驚きました」

「僕たち、顔、全く似てないしね」

「はい、なので……」

「俺は親父、洸平は母親似だ」

「なるほど、合点がいきました」

「真琴さん、スープおかわりは？」

「いえいえ、もうお腹いっぱいです。美味しすぎてたくさん食べてしまいました」

「そう言ってもらえて嬉しいよ」

食事を終え、箸を置き、真琴は訊きたかった残りのひとつを聞いてみることにした。