"ぶっきらぼうで笑わない女神"の恋愛事情
「自分なりに調べて、考えて、応募したんだ」

「修学旅行で何かあったのか?」

「女神に出会った」

「女神?」

「僕、修学旅行先で迷子になっちゃって、発作を起こしちゃったんだ」

「はぁ⁉︎ 聞いてないぞ」

「うん、言わなかったから」

「……」

「その時、中学生3年生の女子が助けてくれた。僕なんかより全然しっかりしてて、とっても素敵な人。僕、それまで自分のこと大嫌いだったんだけど、彼女が教えてくれたんだ。僕は存在価値があるんだって。唯一無二のものも持ってるって。もう一度どこかで彼女に会えた時、自分に自信を持っていたいんだ。胸を張って会いたい。」

「洸平……」

「でもね、彼女、人間が嫌いなんだって。いつか好きになってくれるといいけど」

「お前、変わったな。いい顔してる」

「ホント?」

「だがな、俺は心配だ。いつ発作が起こるかわからない。だから、約束して欲しいことがある」

「何?」

「顔を出さない。決して表に出ないと。それでもやれると言うのなら、俺は全力で応援する」

「うん、わかった。僕、未成年だから保護者の同意も必要だし、家族に応援してもらってやりたい。社長さんに話してみる」
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