The suffering of “Ann”(クリスマス企画)
お日様の眩しさで、目が覚めた。
「アン、おはよう。
よく眠れた?」
いつの間に戻って来ていたのか、澤弥が声をかける。
「うん、グッスリ。」
そう言いながら起きあがると、澤弥が奇声をあげた。
「な…、なんて格好してんだよ!」
ヤバイ、忘れてた!
パジャマ持ってないから、下着のまま寝てたんだった。
「きゃっ!」
恥ずかしくて、頭から布団を被る。
「ったく、寝間着持ってないなら言えよ。」
澤弥の呆れるような声と共に、引き出しを開ける音がした。
「アン。」
澤弥に呼ばれて頭だけ布団から出すと、目の前にスウェットが差し出された。
「ありがと。」
「その格好で人の部屋彷徨くなよ、次は襲うぞ。」
澤弥は私から目を逸らしたまま、そう言ってキッチンに向かった。
ひとり、部屋に残った私は
「いやあ、失敗失敗…。」
なんて呟きながら頭を掻いた。
そんなことしたところで、恥ずかしさが軽減化されるわけもないんだけど…。