The suffering of “Ann”(クリスマス企画)
だけど目にしたものは、私が高校生の時にエロい格好で載ってた雑誌ばかり。
あンの…、どスケベ!!
ウチに着替え取りに行ったら、その足でホテルに泊まる!
もう、頭にきた!!
澤弥のクローゼットから借りた、ニット帽とジャンパーを脱ぎ捨てる。
私は自分の荷物をまとめ、澤弥のアパートをあとにした。
マンションに戻ると、ストーカーの姿は無かった。
諦めたかな?なんて思いながら、部屋に入る。
20日ぶりの我が家は、うっすら埃がかっていて、窓を開けて掃除することにした。
一段落したときにベランダに出ると、マンションに向かって歩いてくるストーカーと目が合った。
私は中に入ると、窓とカーテンを閉めた。
当座の荷物をまとめ、上着を羽織る。
ひとりで部屋にいるのも怖くて、意を決して外に出た。
街中に出て、人混みの中を縫うようにして歩く。
奴を撒くのに、いつも使ってる手段。
なのに今日に限って、なかなか撒くことができなかった。
いつまで、私に付きまとう気?
付きまとって、どうする気?
あまりの恐怖に、目眩がしそうだった。