The suffering of “Ann”(クリスマス企画)
今日は、トントン拍子に仕事が上手くいった。
早めに帰れるし、ストーカーの影すら感じないし…。
なんていい日なんだろう!
澤弥んちまでの通り道だし、梨香んち寄って行こうかなぁ。
今日、澤弥は遅くなるって言ってたもんね。
だけど、梨香に電話しても繋がらなかったので、真っ直ぐ帰ることにした。
仕事場を出てすぐ、あのストーカーが待ち伏せているのが見えた。
タクシーを捕まえようとしたけど、今日に限ってなかなか捕まらない。
中に戻って身を潜めることにしたら、奴は追いかけてきた。
部屋の一室に入り、ドアを閉める。
うわ、この部屋って鍵無いの!?
とりあえず近くにあったテーブルをドアに寄せ、向こうから開かないようにした。
だけど、効果は薄いようで…。
激しくドアを叩く音がして、今にも開けられそうなカンジだ。
もうすぐ、ここには居られなくなるだろう。
私は窓を開け、この部屋からいつでも逃げられるようにした上で…。
ケータイを取り出すと、澤弥にかけた。