The suffering of “Ann”(クリスマス企画)
「休めなんて、簡単に言わないで。」
今は人気あっても、いつ飽きられるか分からない世界。
それに近々、将来に繋げるための大事な打合せがあるんだから。
「…仕方ないな。
その代わり、人気のないとこは絶対に近づくなよ。
それと、困った時はいつでも呼べ。」
いつでも…って、澤弥だって仕事あるじゃん。
私の考えてることが表情に出たのか、澤弥は続けて言った。
「あ、言っておくけど、俺の都合なんか気にしなくて良いからな。
アンが、傷つくことが一番ツライ。」
その一言で、澤弥に愛されてるってことをひしひしと感じる。
だけど、私は…それに応えてあげられないんだ。
私の心は、常に別の男性(ヒト)が占めているから…。
「タクヤ、もう迷惑かけないって誓ったのに…ごめん。」
「アンに頼られて、迷惑だなんて思ったことないよ。
俺で良ければ、いくらでも力になるから。」
澤弥はそう言うと、私の頭をクシャって撫でた。
…ん?頭!?
気がついた時には、澤弥は両手で髪を掬って顔を埋めていた。
忘れてたけど、澤弥は髪フェチだったんだ!
「ちょっ…、ヤダってば!」
私は頭を振って解こうとするけど、澤弥は離してくれない。
「少しだけ、宿代だと思って我慢してよ。」
こンの…、変態!!