「好き」って言ってよ!
「あー、物心ついた時から母子家庭で貧乏暮らしで苦労していたって報道されてたね。

高校時代は持病持ちの母親に楽をさせたい一心でバイトを掛け持ちして、大学時代は母親に苦労させたくないからって言う理由で奨学金を利用して通って、その後で大手銀行に就職して秘書になって見初められて見事にゴールインした…だよね?

まさに“シンデレラ”って言っても過言じゃないよね」

「婚約者に裏切られて、普通だったらチックショーってなるところだけど…」

「あの通り、店長は浮かれてるよね…」

翔一とエイジは鏡越しでお互いの顔を見あわせた。

「一体、どこで仕入れてくるのかしらね…?」

「それが果たして本当のことなのかどうなのか…」

スマートフォンでニュースを見ていた樹里と哲郎は彼らと同じように顔を見あわせた。
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