「好き」って言ってよ!
「早い話が私の顔に整形して相馬青葉の婚約者になってくれって言ってるのよ」

「はあっ!?」

花恋は驚くことしかできなかった。

「いや、ちょ…ちょっと、待ってよ!

私の個人的な恨みや妬みであなたを誘拐したことは謝る!

すぐに元の場所に返すから!

と言うか、もう帰って!」

花恋は両手を前に出して奈帆をなだめた。

「何を今さら言ってるのよ。

自分とは違って何でも持っている私になりたいんでしょ?

じゃあ、私になればいいじゃない。

あなたはまた何でも持つことができるし、私は相馬青葉から逃げることができる」

淡々と何でもないように話をしているその姿は恐怖である。

「ちょっと待って、“逃げることができる”ってどう言うことなの!?」

そのワードが出てきたので花恋は聞いた。
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