「好き」って言ってよ!
「話せば長くなるんだけど…」

奈帆はそう前置きをすると、話を始めた。

「あー、そうだったんだ…」

話を聞き終えた花恋はそう言った。

「と言うか、あなたもあなたで苦労していたのね…」

「そうなのよ、だから婚約破棄の話が出た時は嬉しかったんでけど…」

「それが秘書の提案だったうえに強制的に同棲をさせられて…いろいろとあって今に至ると言う訳ね」

奈帆と花恋はお互いの顔を見あわせると、息を吐いた。

「だから、逃げたいのよ。

あなたが私の顔に整形して、そのまま私に成り変われば私は逃げることができると言う訳よ」

「ちょっと待て、そんなことをしてもいつかはバレるのがオチだ」

花恋はストップと言うように奈帆の前に手を出した。
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