「好き」って言ってよ！

まだ自分の気持ちを認めたくないと意地を張っている奈帆に花恋は息を吐くと、
「もう認めた方がずっと楽よ。

早かれ遅かれ、こう言うのはどこでバレるのかわからないし…もう素直に認めて、大人しく相馬青葉と一緒になった方がずっと楽よ」
と、言った。

「ーーッ…」

奈帆は何も言えないと言う様子だった。

「じゃあ、私はもう帰るから」

花恋は奈帆に向かって言った。

「えっ、帰る？」

奈帆は顔をあげると、花恋に聞き返した。

「何かもうバカバカしくなったし、あんたはあんたで自分の気持ちを認めようとしないし…いろいろな意味で誘拐損よ、誘拐損」

「ゆ、誘拐損って…」

誘拐したのはそっちだろと、奈帆は心の中でツッコミを入れた。