「好き」って言ってよ!
「これ、私のカバンじゃん!」

こんなところに投げ捨てるヤツがあるかと、奈帆は心の中でツッコミを入れながらカバンの中身を確認した。

「スマホに財布、折りたたみの傘にメイクポーチ…よかった、全部ある!」

電源を切られていたスマートフォンのスイッチを押して起動させると、すぐに画面が明るくなった。

「スマホが起動してくれてよかった…後は、警察に電話して」

そう思ったのと同時に、スマホが鳴り出した。

画面を見て着信の確認をすると、青葉からだった。

「ゲッ…!?」

まさかの青葉からの着信に電源を切ろうかと思ったが、今はのん気なことをしている場合ではない。

奈帆は指で画面をタップすると、青葉からの着信に出た。
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