「好き」って言ってよ!
カランカランとドアにつけられているベルが鳴ったので、奈帆はそちらの方に視線を向けた。

「いらっしゃいま…」

そこに現れた人物に奈帆は目を丸くした。

「おや、これはこれは相馬青葉様じゃあーりませんかー!」

奈帆は持っていたほうきをそこへ放り投げると、青葉に歩み寄った。

「どうも、おこんにちは。

世間は朝からあなた様のニュースで持ち切りですわね。

本日はどう言ったご用件で、ここを訪れたのでしょうか?

もしかして、結婚のご報告ですか?

あなた様おひとりで、それも直々にでのご報告ですか?

どうも、ご苦労様でございます」

そこまで言うと、奈帆はペコリとお辞儀をした。

「ご報告は嬉しいですけれど、結婚式には行きませんよ?

元婚約者が結婚式に現れたら嫌ですものね?

その辺はどうぞご心配なく」

オホホと、奈帆は笑った。
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