「好き」って言ってよ!
その日の朝もいつものように青葉は身支度をしていた。

そんな彼の様子を眺めながら、
「私はいつになったら仕事に復帰できるの?」
と、奈帆は聞いた。

「君は大丈夫なのか?」

そう聞き返してきた青葉に、
「私はもう大丈夫だってずっと言ってるんだけど…」

何回目になるんだ…と呟いた後、奈帆は息を吐いた。

「今日は何も予定がないんだろ?」

「いや、先に話を聞いてくれないかな?」

勝手に話を進めようとする青葉に呆れて奈帆はツッコミを入れた。

「ないけど、何なの?」

青葉の質問に答えた奈帆に、
「返事を聞かせて欲しいんだ」
と、青葉は答えた。

「今日は仕事を早めに終わらせてから帰るから」

「そう…」

奈帆が返事したのを確認すると、青葉はカバンを持った。

「それじゃあ、行ってくる」

そう言ってリビングを出た青葉の背中を見送った。
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