「好き」って言ってよ!
「お祝いの品とかメッセージは後で哲郎にお願いして当日に間にあわせるように送りますので、どうぞご安心を」

「えっ、俺がやるの!?」

まさかの指名に哲郎は驚くことしかできなかった。

「と言うか、婚約者がいるのに元婚約者のところへわざわざくるなんて…現婚約者様はこのことを知っているんですか?

私のところへ行ったことを現婚約者様が知ったらショックを受けるかも知れないですよ!

“私よりも元婚約者の方がいいのか…”って、泣いちゃうと思いますよ?」

奈帆は手を目元に当てて、しくしくと泣いているまねをした。

「ちょ…ちょっと、奈帆ちゃん!

それはいくら何でも言い過ぎだよ!」

哲郎がレジから出てきて奈帆に駆け寄った。

「すみません」

哲郎は青葉に向かって謝った。
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