「好き」って言ってよ！
自分たちの関係が婚約者だと言うことを知ったのは、その日の夕食時だった。

「ナホ、このかっこいい人と結婚するの！？」

自分の父親から知らされた奈帆は無邪気に、だけどもそれは嬉しそうに言った。

「そうだよ、奈帆は大人になったら青葉くんのお嫁さんになるんだよ」

「やったー！」

ピョンピョンと嬉しそうに飛び跳ねている奈帆をかわいいと思ったし、大人たちも微笑ましそうに見ていた。

庭の中を探検したり、海水浴や夏祭りに出かけたりと、奈帆と青葉は一緒に遊んだ。

奈帆は青葉によく懐いたし、青葉もそんな奈帆がかわいくて常に一緒にいた。

「奈帆ちゃんと青葉くんは、お互いのことが大好きなのね」

そんな自分たちを大人たちは微笑ましく見ていた。

「アオバちゃん、大好き！」

無邪気な笑顔でそう言った奈帆をとてもかわいくて愛しいと思った。
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