猫はこたつで丸くなる。 私は君で甘くなる。

 来世は絶対、猫になりたい。力強く握りしめた拳に誓う。

「千歳はどちらかといえば、犬だよ」

 はは、なんて笑い声を響かせながら、膝の上のマロを撫で回している。マロをじっと睨みつければ、どちらが鬱陶しかったのか分からないがマロは「にゃー」と鳴き声をあげてこたつに潜り込んでしまった。

「あぁマロ行かないでよ、つれないなぁ」

 そんなことを言いながら、トウヤはこたつに頭から入り込もうとしてる。私は我慢ならず、トウヤの服の裾を掴んで引っ張った。

「トウヤはさ」
「なに、マロに妬いてんの?」

 マロを追いかけるのを諦めたのか、トウヤがニヤニヤとしながらこちらを見ている。

「そもそも、マロはうちの子ですけど」
「うんうん、千歳の家の子だね」
「ってか、何しにきたの! マロに会いに来たの、私に会いに来たの、どっち?」
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