地味系男子が本気を出したら。


* * *


フリマ当日。
おばさんに連れられた蜜柑ちゃんがやって来た。


「それじゃあ大志くん、今日はよろしくね」
「うん、おばさん行ってらっしゃい」


おばさんは忙しそうに仕事に向かって行った。
残された蜜柑ちゃんは、何やらじーっと僕のことを見つめている。

流石モデルさんとでもいうべきなのか、蜜柑ちゃんは小学生にしては背が高く、おしゃれですごくかわいい。
蜜柑ちゃんはギャル系ファッションって言えばいいのかな?さっちゃんとは系統の違うおしゃれさんだな。


「久しぶりだね、蜜柑ちゃん。今日はよろしくね」

「大ちゃん?」

「うん?」

「ほんとに大ちゃんなのぉっ!?」

「う、うん…そうだよ…?」

「めちゃめちゃイケメン〜!!メガネじゃない〜!!」


…あ、そうか。
最後に会った時はメガネかけてたから。


「ああ、コンタクトに変えたんだよ」

「いやそんなレベルじゃないよ!!
やっぱり蜜柑の目に狂いはなかったのね…!」


目に狂いはなかった??どういうこと?


「れーじお兄ちゃんと似てる大ちゃんが、イケメンじゃないわけないと思ってたの!
ぜーーったいイメチェンしたらいいと思ってたけど、想像以上だよ〜!!」


れーじ、はうちの兄の名前です。ちなみに漢字は藜志(れいじ)と書きます。

まあそれはさておき、なんかよくわからないけど、蜜柑ちゃんものすごく興奮してるな…。


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