地味系男子が本気を出したら。



「あれ…?これ、当たり…?」

「シンデレラ役は白凪さんですね!!よろしくお願いします!」

「え〜〜っ、どうしよう…!」


なんとさっちゃんがシンデレラに!!

それを知った途端、男子たちがざわつき始める。


「おいシンデレラ白凪だってよ!」
「マジかよ!だったら王子やるしかねぇ!」
「ぜってー当てる!!」


急に王子役に意欲的になり出す男子が後を絶たない……。
やばいな、だいぶマズイことになったかも。


「黄瀬くん、引いてくださいよ」

「あ、はい…」


最近はさっちゃんどんどんモテ始めて、僕と桃のガードじゃ足りなくなってきてるからなぁ。
蒼永くんが今の状況知ったらどう思うのか……、


「おおっ!王子役は黄瀬くんですね!!」

「え。」


自分が引いたくじを見て、思わず固まる。
そこには当たりを示す、赤い印が。

嘘でしょ……。


「きゃーーっ!王子役黄瀬くんだって!」
「楽しみ〜!!」


――なんで僕がっ!?

いやいや、ダメだよ!!
さっちゃんには蒼永くんがいるんだから!!


「いやっ、あのっ、でも…!」

「大志。」


急に桃が僕の両肩をガシッと掴む。


「大志、あなたが王子をやるのよ」

「えっ!?!?」


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