地味系男子が本気を出したら。


大志はたまにコンタクトが入らなかったりすると、メガネで学校に来る時もある。
素顔がイケメンだとバレてしまって以降、メガネをかけていてもカッコイイ!と騒がれる。

私はどちらかというと、かわいいと思ってるけど。


「九竜のプレゼントどうするの?」

「どうしよ〜〜」


咲玖は散々悩んだ挙句、スポーツタオルを選んだ。
名前の刺繍でも入れてあげたら?と言ったら思いの外その気になり、帰宅したら裁縫セットを引っ張り出すらしい。


「買えてよかったね〜」

「そうね」


ショッピングモール内のコーヒーショップで休憩することに。


「ねぇ桃ちゃん」

「ん?」

「クリスマス好きになった?」

「え?」


唐突すぎて思わずカフェラテをむせそうになった。


「な、なんで?」

「前に言ってたじゃない、クリスマス嫌いだって」


そんなこと覚えてたの……。


「どうかしら」

「そっかぁ」

「…聞かないの?どうして嫌いなのか」

「んー、桃ちゃんが話したくないなら無理には聞かないよ」

「……」


咲玖には両親が離婚してることは話してるけど、離婚の理由は話してない。
でも咲玖なりに円満離婚ではなかったと、多分察してはいると思う。

咲玖のことは大好き。かわいくて大事な親友だと思ってる。


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