地味系男子が本気を出したら。
◆season3:小4夏
早すぎた失恋
4年生になりました。
クラスは持ち上がりのため、またみんな一緒です。
灰澤くんはすっかり大人しくなった。
失恋したことが原因だと思うと可哀想だけど……。
僕はなんとかクラスにも馴染めてきて、毎日楽しく過ごしてます。
「今日は鎌倉学習の班決めをします。
男女四人グループになってください」
そう言われたら、自然と集まるいつものメンバー。
「鎌倉初めて〜!ソフトクリーム食べたい!」
「僕前に抹茶ソフト食べたことあるよ。おいしかった」
「いいなぁ」
「その前に班長を決めなきゃなんだけど」
「班長は春日井じゃないの?」
「え…」
「一番適任」
「確かに桃ちゃんしかいないよね!」
「…仕方ないわね」
やれやれと思いながらも、引き受けてくれる春日井さんが好きだなぁと思った。
僕の恋は全く進展してないけど、こうして一緒にいられるだけで楽しい。
鎌倉学習は鶴岡八幡宮、鎌倉大仏といった観光地をみんなで散策し、班毎に小町通りで自由行動となる。
お土産物屋を見たり、食べ歩きをしたり。
「りんご飴もおいしそう!蒼永は何食べたい?」
「咲玖が食べたいやつ」
「えー、じゃあねぇ」
「蒼永くんは好きな食べ物何?」
「甘すぎるものでなければ」