地味系男子が本気を出したら。
「だから、俺はだけど…諦めない努力をすると思う」
「そっか、蒼永くんはやっぱりカッコイイね……」
お世辞じゃなく、心からそう思った。
いつも真っ直ぐにさっちゃんのことを想ってるところ、それを隠そうとしないところ。
僕にとっては全部が眩しく思える。
「いいなぁ、蒼永くんみたく自信が持てたらいいのに。
蒼永くんみたく髪がストレートで綺麗だったら、もう少し自信が持てたのかな」
自分のクルクルした天パの髪をいじる。
「大志は、誰かに気持ちで負けてると思う?」
「え?」
「他の誰かに、春日井が好きな気持ちで負けると思う?」
――その答えは、自分でも驚くほど即答だった。
「思わない!
だって、すっごく好きだもん!」
「…じゃあ、自信あるじゃん」
初めて蒼永くんが僕に向かって笑いかけた瞬間だった。
そして、その言葉にものすごく救われた。
そっか、こんな僕でも自信が持てること、あったんだって――…。
なんだか、勇気が湧いてきた。
「ありがとう、蒼永くん。僕も諦めずに頑張ってみるよ!」
「…ん」
「蒼永くんと友達になれてよかった!」
「そう」
具体的にどうしたらいいかはわかってないけど、でも勝手にフラれたと悲観するのはやめよう。
僕の恋は、まだ始まったばかりなんだ。
「…それにしても、なんで男が信用できないんだろう」