地味系男子が本気を出したら。
◆season4:小5春
君が恋を嫌う理由
5年生の始業式。
この日は僕にとって、かなりショックな日でもある。
クラス替えで春日井さんと離れてしまった…!!
さっちゃんとはまた同じクラスになれたからよかったけど、春日井さんと一緒に卒業したかった……。
5,6年は同じクラスだから、修学旅行とかも別々なんだよね……。
「やだ〜〜〜〜〜!!桃ちゃんだけクラス違う〜〜!!」
「仕方ないでしょ?」
「大志くんが一緒なのは嬉しいけど、三人とも一緒がよかった…っ」
瞳をうるうるさせるさっちゃんに、春日井さんはよしよしと頭を撫でている。
やっぱりさっちゃん、寂しいんだね……。
実はもう一つショックなことがあり、5年進級前に蒼永くんが転校してしまった。
なんでも強くなるための地方留学らしく、単身九州へ。
小学生までは向こうの親戚に預けられ、中学からは寮に入るらしい。
「いつ戻ってくるの?」
「最速5年かな」
「ごねん!?」
「これは俺の計画だけど、中学の内から全国で成果出したくて。そうしたら、高校からこっちに戻って来れるかもしれないし」
武道に厳しいおじいさんを納得させるため、早めに行って少しでも早く結果を残したいそうだ。
すごいなぁ、蒼永くん……。
「だから大志、咲玖のことよろしく」
そう言って蒼永くんは九州に旅立っていった。