地味系男子が本気を出したら。
「あ、ありがとう…っ」
こんなところで声が上擦ってしまう僕は、本当に情けない。
「でも、桃ちゃんが先に言ってくれたからだよ。なかなかあんな風に言えないよね。
わたし、桃ちゃんのああいうところが好きなんだー!」
「咲玖、俺もちゃんと聞こえてたよ」
「? そうだね?」
「九竜、そんなことで張り合おうとしないでくれる?」
「さ、三人は昔から仲良いの?」
思い切って聞いてみたら、こんな答えが返ってきた。
「いや?今年初めて同じクラスになったわ」
「そうなの!?」
「桃ちゃんとはそうだね。蒼永とわたしは幼なじみだけど」
意外にも今年からなんだ……。
なんかずっと前から仲が良いのかと思っちゃった。
「それと、私と九竜は別に仲良くはないわね」
「うん」
「えーーっ!?そうなの?」
驚いていたのは僕じゃなく、白凪さんだった。
「仲良しになったのかと思ってた!」
「いや別に…」
「俺も特に」
二人ともものすごくクールなところは似てるんだけどなぁ……。
「じゃ、じゃあ!今友達になろうよ!」
「え?」
「わたしたち四人とも友達!ねっ!」
「四人って…僕もいいの……?」
おずおずと尋ねたら、白凪さんは笑顔で返してくれた。
「もちろん!」